スターアライアンス
アライアンスは航空会社同士が手を結んだ連合組織です。コードシェア便やマイレージサービスの相互乗り入れをすることで、旅客の利便性を図り、集客の向上をめざしています。航空便には長距離便や国際線も多くなっているので、アライアンス(航空連合)は国際的な組織になっていてり、各国の航空会社で構成されています。
2014年現在でみると、世界的な航空連合は3つになっています。スターアライアンス、ワンワールド、スカイチームです。このグループ内の各航空会社はコード・シェア便で同グループ内で旅客を誘導するほかにも、機体や事務所、整備拠点の提携による運航経費の削減も目指しています。
例えばスターアライアンスでは、事故といった非常時には事故が起きた地点に最も近い加盟会社が救助にあたることになっているため、非常時の対応などでも提携を結んでいます。
スカイチームには日本の航空会社が加入していませんが、ワンワールドには日本航空、スターアライアンスには全日本空輸が加入しています。
スターアライアンス
1997年(平成9年)5月14日に設立された世界で最初であり、世界最大の航空連合になっています。加盟会社による就航国は190ヶ国余りになっていて、1,300以上の空港に就航しています。保有機材数は4.701機です。1日当たりの便数は21,000便を超えています。アライアンス・スローガンは「The Way The Earth Connects」。
加盟航空会社
- アシアナ航空…韓国:2003年加入
- アドリア航空…スロベニア:2004年加入
- アビアンカ航空…コロンビア:2012年加入
- TACA航空…エルサルバドル:2012年加入
- エア・カナダ…カナダ:1997年加入
- エーゲ航空…ギリシャ:2010年加入
- エジプト航空…エジプト:2008年加入
- エチオピア航空…エチオピア:2011年加入
- エバー航空…中華民国:2013年加入
- オーストリア航空…オーストリア:2000年加入
- クロアチア航空…クロアチア;2004年加入
- コパ航空…パナマ:2012年加入
- シンガポール航空…シンガポール:2000年加入
- 深圳航空…中国:2012年加入
- スイスインターナショナルエアラインズ…スイス:2006年加入
- スカンジナビア航空…デンマーク・ノルウェー・スウェーデン:1997年加入
- 全日本空輸…日本:1999年加入
- タイ国際航空…タイ:1997年加入
- TAP ポルトガル航空…ポルトガル:2005年加入
- TAM航空…ブラジル:2010年加入
- 中国国際航空…中国:2007年加入
- トルコ航空…トルコ:2008年加入
- ニュージーランド航空…ニュージーランド:1999年加入
- ブリュッセル航空…ベルギー:2009年加入
- 南アフリカ航空…南アフリカ共和国:2006年加入
- USエアウェイズ…アメリカ:2004年加入
- ユナイテッド航空…アメリカ:1997年加入
- ルフトハンザドイツ航空…ドイツ:1997年加入
- LOTポーランド航空…ポーランド:2003年加入
スターアライアンスの特徴
スターアライアンスの最大の特徴は、他のアライアンスに比べて一番加盟航空会社が多いとことです。アジアでは計7社が加盟しているため、ワンワールドの3社、スカイチームの5社に比べると、東アジア、東南アジアの路線網が充実しています。
ヨーロッパでは設立当初からルフトハンザドイツ航空とスカンジナビア航空が参加しています。中欧のドイツ語圏、北欧・南欧の航空会社が加盟しているため、エールフランスやKLMオランダ航空、アリタリアとアエロフロートを中心とするスカイチームや、ブリティッシュ・エアウェイズ、イベリア航空やフィンランド航空を擁するワンワールドと比肩するネットワークを有しています。
オセアニアに関しては、アンセット・オーストラリア航空の経営が破綻した後は加盟航空会社がニュージーランド航空だけになっているため、カンタス航空を擁するワンワールドの後塵を拝している状況です。
アフリカでは、南アフリカ航空、エジプト航空、エチオピア航空が加盟しており、広範囲のネットワークを形成しています。
戦略
スターアライアンスの重要な戦略として、加盟している航空会社が1つのターミナルに集結するプロジェクト〜Move under one Roof〜(ひとつ屋根の下に集結)が挙げられます。アライアンス加盟各社のターミナル機能を共用化する事によって乗継時間の短縮や利便性の大幅な向上がされるため、アライアンス機能を更に発揮出来るようになります。
日本では、成田国際空港第1旅客ターミナル南ウイングに2006年(平成18年)6月2日から全日本空輸を中心に、ニュージーランド航空を除く成田に就航する加盟各社が配置されていましたが、2012年(平成24年)3月25日からニュージーランド航空も合流したことで、成田国際空港に就航する加盟会社全社が第1旅客ターミナル南ウイングからの発着になりました。
アジア域内のハブ空港では仁川国際空港や北京首都国際空港、上海浦東国際空港でもこの取り組みが進められている。欧州域内ではシャルル・ド・ゴール国際空港第1旅客ターミナルやロンドン・ヒースロー空港第1旅客ターミナルなどへの再配置が進められていて設備の拡充が図られています。
スターアライアンスのゴールドとシルバー
各加盟会社の航空便に搭乗することでフリークエントフライヤープログラム(マイレージプログラムとも)のマイルを貯めて、一定以上の条件(各社によって違う)を満たすと上級会員になると同時に、スターアライアンスシルバー会員 または、スターアライアンスゴールド会員 としてランクアップされます。メンバーがシルバーかゴールドかは会員証に記載されています。
特徴は特にゴールドになった際により多くの特典を無料で享受することができます。そしてもちろんですが、ゴールド会員の方がシルバー会員よりも特典の幅、優先度は高くなっています。公表はされていませんが、上級会員だけを対象としたキャンペーンなどが行われることもあります。
スターアライアンスゴールド特典
- ビジネス・ファーストクラス用の搭乗手続きカウンターの利用
- ビジネス・ファーストクラス用ラウンジ(特別待合室)の無料利用
- 予約(空席待ち)の優先
- 機内への搭乗順位の優先
- 到着後の荷物受取りの優先
- 加算された搭乗マイルに対するボーナスマイル(加入したFFPが運営する航空会社に乗った場合のみ適用)
スターアライアンスシルバー特典
- キャンセル待ちの優先的取扱(出発前の予約段階)
- 空港での優先的な座席確保(希望便満席時)
スターアライアンス・ラウンジ
スターアライアンス加盟各社の共用ラウンジでは、上級会員並びにファーストクラス・ビジネスクラスの乗客が利用可能になっています。スイスのチューリッヒ空港を皮切りに、名古屋の中部国際空港、ロサンゼルス国際空港、パリのシャルル・ド・ゴール国際空港の4空港にスターアライアンス・ラウンジが設置されています。加盟航空会社の国を代表する料理や各国のワイン、シャンパン、ビールなどを提供しています。