ワンワールド
2013年10月時点でアライアンスの中では第3位の規模になっています。ワンワールドは世界151か国、883カ所の目的地に達していて、加盟社は14社。就航国は149カ国、就航空港は810。便数は毎日10,000便を超えています。保有機材数は2.381機です。ネットユーザーが投票することで賞を与えるワールド・トラベル・アワーズでは、ワンワールドは2011年度までの9年連続でベスト航空連合に選出されています。アライアンス・スローガンは「Be Connected. Be One.」。
メンバー航空会社は、技術・整備事業、方針・手順調整、開発・支援ソリューション連携などで航空業界を通して使用できる可能な限り広範囲に亘る共通規格も開発してきました。また経費も一括購入したり部品の相互共有によって削減されています。
2006年度までの過去3年間の加盟航空会社の総収支が黒字という唯一のアライアンスでしたが、、この記録も2008年には途絶えてしまいました。加盟会社全てが黒字ということではありません。赤字の数社が黒字の会社の足を引っ張っている構図になっています。
ネットワーク
ワンワールドの設立はスターアライアンスよりも2年ほど遅いのですが、中央管理機構を確立した最初のアライアンスです。発足した当初の本部は、カナダのバンクーバーでしたが、2010年からアメリカ合衆国のニューヨークに本部を置いています。、加盟航空会社各社の最高責任者で構成されるアライアンス委員会への報告を担当する責任者が本部に駐在しています。そして、アライアンス委員会の議長は基本的に持ち回り制になっています。
- アジア
- 設立メンバーのキャセイパシフィック航空の香港を拠点にして、中華人民共和国や東南アジア各国への幅広いネットワークに加えて、2007年(平成19年)4月1日に日本のフラッグキャリア日本航空が加盟したことによりアジア太平洋地域のネットワーク強化が行われました。日本航空の加盟によって、成田国際空港にでのワンワールド加盟航空会社の再配置がおこなわれました。そしてワンワールドは、成田国際空港では第2旅客ターミナルビルに集約されました。こちらのターミナルを「ワンワールドの北東アジアでのハブ」と考えて、チェックインカウンターのクラス別での共用化や、ラウンジの改修などサービス機能を加盟就航会社共同で強化しています。さらに、羽田空港には、羽田空港をハブとする日本航空の他にも、キャセイパシフィック航空やブリティッシュエアウェイズ、マレーシア航空なども乗り入れをしています。さらに2013年(平成25年)2月1日に、ASEANをはじめとするアジア全域に幅広いネットワークを持つマレーシア航空が加盟した事によって、アジア地域の更なるネットワーク強化が行われました。2014年(平成26年)のはじめに、インド、パキスタンなどの南アジア、サウジアラビア、ドバイなどの中東(西アジア)にも幅広いネットワークを持つスリランカ航空の加盟が正式発表されています。
- 北アメリカ
- 北アメリカではアメリカン航空が加盟しています。これまでは北アメリカ路線に4社を擁するスターアライアンスと2社を擁するスカイチームと比べて決して路線網が強いとはいえない状態でしたが、アメリカン航空とUSエアウェイズの合併で世界最大の航空会社が誕生することになり、USエアウェイズが加盟する2014年3月31日以降は、アメリカ国内線だけではなく中央南アメリカ路線などアメリカを拠点とする国際線がこれまで以上に充実することになりました。日本航空とキャセイパシフィック航空、マレーシア航空がアジアの多数の都市と北アメリカ間に、ブリティッシュ・エアウェイズとフィンエアー、イベリア航空がヨーロッパと北アメリカ間に多くの路線を持つ他、カンタス航空がオセアニアと北アメリカ間に多数の路線を持っています。
- ヨーロッパ
- ブリティッシュ・エアウェイズとイベリア航空(この2社は2010年末にインターナショナル・エアラインズ・グループとして経営統合)や、フィンランド航空やエア・ベルリンなど、ヨーロッパの東西南北の主要国をほぼ網羅するネットワークを持っているため、ヨーロッパ全土へ路線網を伸ばしています。ヨーロッパにおけるシェアはスカイチーム、スターアライアンスについで3位です。
- アフリカ
- ブリティッシュ・エアウェイズがイギリスの旧植民地を中心に多くの路線網を持っています。ブリテイッシュ・エアウェイズ社の傘下にある南アフリカのコム・エア がアフィリエイトメンバーとして参加している他、カタール航空がドーハとアフリカの主要都市の間に多数の路線を持っていますが、エジプト航空と南アフリカ航空、エチオピア航空の3社を擁するスターアライアンスやケニア航空が参加するスカイチームに比べるとネットワークは小さいといえます。
- 南アフリカ
- ラン航空とTAM航空などを傘下に収め、南アメリカに各国に広範なネットワークを持つLATAMエアラインズグループが加盟しているため南アフリカの路線網はとても充実しています。ラン航空が2010年8月にスターアライアンスメンバーであるTAM航空を買収しとして経営統合することが発表されました。2014年3月31日にTAM航空がスターアライアンスから脱退して、ワンワールド・アライアンスに正式加盟すると発表になりました・。そしてLAN航空子会社のLANコロンビア航空は10月1日付けで正式加盟となりました。
フリークエント・フライヤー・プログラムの共用
ワンワールドでのマイレージサービスのランクはワンワールド・エリート・ステータス・レベルと呼ばれています。ルビー、サファイア、エメラルドの3段階になっています。
ワンワールド・エリート・ステータスは利用者が直接取得するものではなく、各加盟会社がそれぞれ設定するマイレージサービス(日本航空であればJALマイレージバンク)の各ランクと対応付けて利用することができます。
また加盟会社の相互利用でもマイルが加算されるよう規格化されていますが、自社便最低搭乗回数など条件は各社違っています。
- ワンワールド・エメラルド特典
- ファーストクラスカウンターでのチェックイン
- ファーストクラス・ビジネスクラス用ラウンジの利用
- ワンワールド・サファイア特典
- ゲートでの優先搭乗
- ビジネスクラス用ラウンジの利用
- ワンワールド・ルビー特典
- ビジネスクラスカウンターでのチェックイン
- 優先空席待ち
- 事前優先座席予約
加盟航空会社
- アメリカン航空…アメリカ:1999年加入
- イベリア航空…スペイン:1999年加入
- エア・ベルリン…ドイツ:2012年加入
- S7航空…ロシア:2010年加入
- カタール航空…カタール:2013年加入
- カンタス航空…オーストラリア:1999年加入
- キャセイパシフィック航空:香港(中国):1999年加入
- 日本航空…日本:2007年加入
- フィンランド航空…フィンランド:1999年加入
- ブリティッシュ・エアウェイズ…イギリス:1999年加入
- マレーシア航空…マレーシア:2013年加入
- ラン航空…チリ:2000年加入
- ロイヤル・ヨルダン航空…ヨルダン:2007年加入
加盟予定航空会社
- USエアウェイズ…アメリカ:2014年加入予定
- TAM航空…ブラジル:2014年加入予定
- スリランカ航空…スリランカ:2014年加入予定